11年「赤ちゃん読み聞かせ養成講座」記録 査閲:近藤 記録:友蔵
2-3月に3回、片柳図書館主催、浦和子どもの本連絡会会員近藤幸子講師で開催。
近藤さんは4人の子育て経験。御夫妻の子育てのモットー「親子は良き隣人でいよう」。
◆お客様は子どもとお母さん
・お客様は赤ちゃんだけでなく、お母さんや祖父母等の場合もある。
この資料では、赤ちゃんを連れて来られた方を「お母さん」と表現する
・お母さんは、子育ての多くの情報で、孤独で不安になっている人も増えている
◆「赤ちゃん読み聞かせ会」 話し手側の体制
赤ちゃんに対して絵本を読み、手遊びする時は、一対一で向き合うのが基本です。だから、これは、母さんの仕事として考えられます、その次は、同じ屋根の下に住む大人、次は、保育園の保母さんです。この事を、よくよく、忘れないようにしたい。赤ちゃん読み聞かせ会は、この中にいない大人が関わっていることを忘れないようにして、赤ちゃんもお母さんも、私たちも心休まる活動を目指しましょう!
・チーム体制を作る:チーム=リーダ+数人のメンバ
リーダもメンバもお母子へ、度々声を掛け、親しみやすい雰囲気づくりが大事
・リーダは準備段階で決めておく。当日はリーダ中心で進行させる
保育園の保育士は一人で、乳児5~6人を世話する。メンバもその位の人が必要
・メンバは参加者の中に入ってリーダの指示を皆へ伝えるとともに、問題発生に対応する。
例:赤ちゃんが泣いた時の声掛け「御一緒に、外へ出て散歩しませんか」
例:トイレに行く母子への声掛け「行ってらっしゃい」「お帰りなさい」
場所が分からないと、連れていくことも
例:赤ちゃんは本をしゃぶる、破るので、あやして本を回収する
・チームでお母さんを育てるという気持ちが大事
この気持ちが伝わればリピータも増え、お母さんとの信頼関係が生まれる
・子育ての相談を受けることもある 【例】・離乳時期は? ・おむつは何時外す?
・母親へ度々声を掛けよう「頑張てるね」「可愛いね」「頬ぺがおいしそうね」
・一緒に来ているお兄ちゃん、姉ちゃんも、絵本やお話を聞いて楽しむことも多い
・読み手は、絵本の感想を、お母さんへ聞いてはならない
「質問される」「感想を聞かれる」と思うと、緊張感が続き、愉しめない
◆「赤ちゃん読み聞かせ会」 会場
・椅子に腰掛けてはできない。
広さは、円になって歩くことや、門くぐりなどができる位が好ましい。
・読み手と聞き手の視点の高さは、同じにする
◆「赤ちゃん読み聞かせ会」のプログラム
・わらべうた、手遊び、絵本の三つでプログラムを組み立てる
・プログラムを事前に作っても、いろいろな事が起こり、その通りできないことが多い
・赤ちゃんの様子をみて、臨機応変な対応が必要。飽きたら手遊び、わらべうたを
・最初は「挨拶」から始める
【例】お返事遊び:全員に対して①②を繰り返し、皆で遊ぶ
服に貼れる名札を母子に着けてもらうのがベストだが、参加者名簿を使ってもよい
①お母さんを呼ぶ「幸子ちゃん」→お母さんは手を挙げて「ハーイ」→皆で拍手する
②赤ちゃんを呼ぶ「太郎ちゃん」→お母さんが手を挙げて「ハーイ」→皆で拍手する
赤ちゃんの手を持って「ハーイ」と挙げるお母さんがいる場合、赤ちゃんは不愉快に感じるので、赤ちゃんが自分でするまで待つようにアドバイスする。子育ては辛抱が大事
・赤ちゃんに限らず、家庭で絵本を読むとき 守りましょう!
①子どもが手にする本、選ぶ本は何でも読んであげる
②子どもが望めば同じ本を何度でも読む
③子どもに感想は聞かない。 「読むのが遅いよ」など、他の子と較べない
・何の本がこどもの感性を触発するか分からない
・素直に聞ける子が伸びる
・「遊びは、①自発的 ②自由に変えられる ③楽しい」。この三つが創造の源で大事
◆赤ちゃんに合う絵本の特徴
・写真より絵の方が、対象が明確でよい
・見開きで、一場面
・登場人物に名前が付いている方が「個」を意識する。日本人には欠けている傾向あり。
名前が付いていても登場者が多いと、ストーリーが分からなくなる
絵本のルール(頁数とか、登場人物の数とか、判型の大きさとか、日本語の質とか)を、いつも気に掛けていましょう!
◆(赤ちゃんに限ったことではありませんが)子どもが自分で本を読み始めるために
1.家庭など身近に本があること
2.図書館や文庫へ行って本を借りること
子どもが選ぶものは、何冊でもどんな本でも文句を言わない。
全部読まなくても文句を言わない。自由な縛りのない環境を作ってあげる
3.子どもとの信頼関係のある人が読んであげる。
子どもは親の忍耐力を育ててくれる授かり物。
4.お母さんが、「赤ちゃんへいっぱい声をかけているかが大事」
赤ちゃんの安心感、信頼感を得るのが第一。本はその後
5.10~12歳くらいまでは本を読んであげましょう!!
文字が読めることと、文章が読めることは違う。
10~12歳までは、読んでもらって理解する力が、自分で読んで理解する力より勝って いるそうです。聞いた方が、読むより判りやすい経験は、大人でもありますね。
◆乳幼児の発達について
・岡本夏木さん(*1)の岩波新書を学んで欲しいです。
・著書:1982『子どもとことば』・1985『ことばと発達』・2005「幼児期」(岩波新書)
・子どもの発達の過程
2ケ月目:目の前のものを見る
4ケ月目:自分から見る 視線を動かす
8ケ月目:自分から見て欲しがる
9ケ月目:自分で人を見て、大人へ手や目で要求する
10ケ月目:ものの受け渡し、やりとりができる
いつも声を掛けて ・「ちょうだい」→ものをくれたら→「ありがとう」
・ものをわたすとき「どうぞ」
・子どもは新しいものに関心をもち、欲しがる傾向がある。
この芽を摘まないようにしたい。本は知的好奇心を満足させる
・言葉を覚える過程:お母さんは絶えず、声を掛けることが大事
①話しかけで言葉を覚える・・「タロー君」 「ママ」 「パパ」
②体の動きで言葉を覚える・・「うまうまい」 「痛い痛い」
③書いて言葉を覚える・・・最初は自分のことだけ。次に、他者やものへの関心へ。
・自己実現と、他者との関与を、現実の世界で統合して成長する
三つの重層化:<外界の事物との直接的対応性 vs 自分の世界>この統合
<①生活世界→ ②情報的知識世界→ ③心情の世界> ①から②、③へ適応し移る
・多くの人と接する過程で、豊かな経験をしていく
◆ボランティアの心構え
・目的は地域の子を育てる・・・・いつも、この共通項を大事にする
・ボランティアは新人を「育てる」のではなく、仲間とに共に歩き成長する気持ち大事
・スキルが高い人に合わせるのでなく、スキル浅い人も一緒に歩けるように計画する
・ボランティア同士を較べない
*1:岡本 夏木:1926年京都生 ‘幼児の発達心理学者
52年京大文学部哲学科卒 専攻は発達心理学。現在京都女子大学教授
【追記 近藤】
赤ちゃんが生まれて一年間で身につける“七つの芸と五つの恥”を、伝えておきます。
これは、金子きくえさん(*1)が、“遠野のわらべうた”を柱にして赤ちゃんに接している実践のごくごく簡単なご紹介です。
詳細は、私たちが折々学んでいくのが良いと思います。
◆七つの芸
1 てんこ てんこ てんこ: 真似ることの最初。目と耳と頭を使ってまねる。
2 にぎ にぎ にぎ:
3 いや いや いや :断ることは大切
4 じょうず じょうず じょうず
5 ちょっつ ちょっつ ちょっつ: 恥をかかない 恥を感じる
6 頭 なり なり: おいしいおいしいの動作
7 バンザーイ バンザーイ バンザーイ:自分をほめる がまん・努力・勇気
◆五つの恥
①あいさつをする
②返事をする
③ちょうだい どうぞ ありがとう
④おしりを隠す
⑤食事のマナー 立って・歩いて食べない
【追記 堀江】
◆瀬田貞二 「絵本論」(福音館書店)より
1才:絵本は与える必要がない
2才:物心がついて「これ何?」を連発。絵を事物として見る。
絵はもので、それを撫でたがる
3才:一ページの中に、それぞれ独立した事物をいくつか描いてみる
事物の識別が細かくなり、それらを区別比較できる
4才:2-3ページごとに話がまとまっているもの
5才:絵本全体が一つの話しの筋を追ってできているもの
*1:金子きくえ:宮城わらべうたの会代表
宮城県若林区で「木ノ下おひさま文庫」主催 毎週水曜13:30-17:00
若林区連坊2丁目 金子宅 TEL022-293-3466
大人や保育士対象の講習会の講師、絅短大非常勤講師
以上
2-3月に3回、片柳図書館主催、浦和子どもの本連絡会会員近藤幸子講師で開催。
近藤さんは4人の子育て経験。御夫妻の子育てのモットー「親子は良き隣人でいよう」。
◆お客様は子どもとお母さん
・お客様は赤ちゃんだけでなく、お母さんや祖父母等の場合もある。
この資料では、赤ちゃんを連れて来られた方を「お母さん」と表現する
・お母さんは、子育ての多くの情報で、孤独で不安になっている人も増えている
◆「赤ちゃん読み聞かせ会」 話し手側の体制
赤ちゃんに対して絵本を読み、手遊びする時は、一対一で向き合うのが基本です。だから、これは、母さんの仕事として考えられます、その次は、同じ屋根の下に住む大人、次は、保育園の保母さんです。この事を、よくよく、忘れないようにしたい。赤ちゃん読み聞かせ会は、この中にいない大人が関わっていることを忘れないようにして、赤ちゃんもお母さんも、私たちも心休まる活動を目指しましょう!
・チーム体制を作る:チーム=リーダ+数人のメンバ
リーダもメンバもお母子へ、度々声を掛け、親しみやすい雰囲気づくりが大事
・リーダは準備段階で決めておく。当日はリーダ中心で進行させる
保育園の保育士は一人で、乳児5~6人を世話する。メンバもその位の人が必要
・メンバは参加者の中に入ってリーダの指示を皆へ伝えるとともに、問題発生に対応する。
例:赤ちゃんが泣いた時の声掛け「御一緒に、外へ出て散歩しませんか」
例:トイレに行く母子への声掛け「行ってらっしゃい」「お帰りなさい」
場所が分からないと、連れていくことも
例:赤ちゃんは本をしゃぶる、破るので、あやして本を回収する
・チームでお母さんを育てるという気持ちが大事
この気持ちが伝わればリピータも増え、お母さんとの信頼関係が生まれる
・子育ての相談を受けることもある 【例】・離乳時期は? ・おむつは何時外す?
・母親へ度々声を掛けよう「頑張てるね」「可愛いね」「頬ぺがおいしそうね」
・一緒に来ているお兄ちゃん、姉ちゃんも、絵本やお話を聞いて楽しむことも多い
・読み手は、絵本の感想を、お母さんへ聞いてはならない
「質問される」「感想を聞かれる」と思うと、緊張感が続き、愉しめない
◆「赤ちゃん読み聞かせ会」 会場
・椅子に腰掛けてはできない。
広さは、円になって歩くことや、門くぐりなどができる位が好ましい。
・読み手と聞き手の視点の高さは、同じにする
◆「赤ちゃん読み聞かせ会」のプログラム
・わらべうた、手遊び、絵本の三つでプログラムを組み立てる
・プログラムを事前に作っても、いろいろな事が起こり、その通りできないことが多い
・赤ちゃんの様子をみて、臨機応変な対応が必要。飽きたら手遊び、わらべうたを
・最初は「挨拶」から始める
【例】お返事遊び:全員に対して①②を繰り返し、皆で遊ぶ
服に貼れる名札を母子に着けてもらうのがベストだが、参加者名簿を使ってもよい
①お母さんを呼ぶ「幸子ちゃん」→お母さんは手を挙げて「ハーイ」→皆で拍手する
②赤ちゃんを呼ぶ「太郎ちゃん」→お母さんが手を挙げて「ハーイ」→皆で拍手する
赤ちゃんの手を持って「ハーイ」と挙げるお母さんがいる場合、赤ちゃんは不愉快に感じるので、赤ちゃんが自分でするまで待つようにアドバイスする。子育ては辛抱が大事
・赤ちゃんに限らず、家庭で絵本を読むとき 守りましょう!
①子どもが手にする本、選ぶ本は何でも読んであげる
②子どもが望めば同じ本を何度でも読む
③子どもに感想は聞かない。 「読むのが遅いよ」など、他の子と較べない
・何の本がこどもの感性を触発するか分からない
・素直に聞ける子が伸びる
・「遊びは、①自発的 ②自由に変えられる ③楽しい」。この三つが創造の源で大事
◆赤ちゃんに合う絵本の特徴
・写真より絵の方が、対象が明確でよい
・見開きで、一場面
・登場人物に名前が付いている方が「個」を意識する。日本人には欠けている傾向あり。
名前が付いていても登場者が多いと、ストーリーが分からなくなる
絵本のルール(頁数とか、登場人物の数とか、判型の大きさとか、日本語の質とか)を、いつも気に掛けていましょう!
◆(赤ちゃんに限ったことではありませんが)子どもが自分で本を読み始めるために
1.家庭など身近に本があること
2.図書館や文庫へ行って本を借りること
子どもが選ぶものは、何冊でもどんな本でも文句を言わない。
全部読まなくても文句を言わない。自由な縛りのない環境を作ってあげる
3.子どもとの信頼関係のある人が読んであげる。
子どもは親の忍耐力を育ててくれる授かり物。
4.お母さんが、「赤ちゃんへいっぱい声をかけているかが大事」
赤ちゃんの安心感、信頼感を得るのが第一。本はその後
5.10~12歳くらいまでは本を読んであげましょう!!
文字が読めることと、文章が読めることは違う。
10~12歳までは、読んでもらって理解する力が、自分で読んで理解する力より勝って いるそうです。聞いた方が、読むより判りやすい経験は、大人でもありますね。
◆乳幼児の発達について
・岡本夏木さん(*1)の岩波新書を学んで欲しいです。
・著書:1982『子どもとことば』・1985『ことばと発達』・2005「幼児期」(岩波新書)
・子どもの発達の過程
2ケ月目:目の前のものを見る
4ケ月目:自分から見る 視線を動かす
8ケ月目:自分から見て欲しがる
9ケ月目:自分で人を見て、大人へ手や目で要求する
10ケ月目:ものの受け渡し、やりとりができる
いつも声を掛けて ・「ちょうだい」→ものをくれたら→「ありがとう」
・ものをわたすとき「どうぞ」
・子どもは新しいものに関心をもち、欲しがる傾向がある。
この芽を摘まないようにしたい。本は知的好奇心を満足させる
・言葉を覚える過程:お母さんは絶えず、声を掛けることが大事
①話しかけで言葉を覚える・・「タロー君」 「ママ」 「パパ」
②体の動きで言葉を覚える・・「うまうまい」 「痛い痛い」
③書いて言葉を覚える・・・最初は自分のことだけ。次に、他者やものへの関心へ。
・自己実現と、他者との関与を、現実の世界で統合して成長する
三つの重層化:<外界の事物との直接的対応性 vs 自分の世界>この統合
<①生活世界→ ②情報的知識世界→ ③心情の世界> ①から②、③へ適応し移る
・多くの人と接する過程で、豊かな経験をしていく
◆ボランティアの心構え
・目的は地域の子を育てる・・・・いつも、この共通項を大事にする
・ボランティアは新人を「育てる」のではなく、仲間とに共に歩き成長する気持ち大事
・スキルが高い人に合わせるのでなく、スキル浅い人も一緒に歩けるように計画する
・ボランティア同士を較べない
*1:岡本 夏木:1926年京都生 ‘幼児の発達心理学者
52年京大文学部哲学科卒 専攻は発達心理学。現在京都女子大学教授
【追記 近藤】
赤ちゃんが生まれて一年間で身につける“七つの芸と五つの恥”を、伝えておきます。
これは、金子きくえさん(*1)が、“遠野のわらべうた”を柱にして赤ちゃんに接している実践のごくごく簡単なご紹介です。
詳細は、私たちが折々学んでいくのが良いと思います。
◆七つの芸
1 てんこ てんこ てんこ: 真似ることの最初。目と耳と頭を使ってまねる。
2 にぎ にぎ にぎ:
3 いや いや いや :断ることは大切
4 じょうず じょうず じょうず
5 ちょっつ ちょっつ ちょっつ: 恥をかかない 恥を感じる
6 頭 なり なり: おいしいおいしいの動作
7 バンザーイ バンザーイ バンザーイ:自分をほめる がまん・努力・勇気
◆五つの恥
①あいさつをする
②返事をする
③ちょうだい どうぞ ありがとう
④おしりを隠す
⑤食事のマナー 立って・歩いて食べない
【追記 堀江】
◆瀬田貞二 「絵本論」(福音館書店)より
1才:絵本は与える必要がない
2才:物心がついて「これ何?」を連発。絵を事物として見る。
絵はもので、それを撫でたがる
3才:一ページの中に、それぞれ独立した事物をいくつか描いてみる
事物の識別が細かくなり、それらを区別比較できる
4才:2-3ページごとに話がまとまっているもの
5才:絵本全体が一つの話しの筋を追ってできているもの
*1:金子きくえ:宮城わらべうたの会代表
宮城県若林区で「木ノ下おひさま文庫」主催 毎週水曜13:30-17:00
若林区連坊2丁目 金子宅 TEL022-293-3466
大人や保育士対象の講習会の講師、絅短大非常勤講師
以上